施工実例
Example
戸建て住宅は「自分の家だけの配管」だからこそ、詰まりや臭いの影響がダイレクトに生活へ跳ね返ってきます。集合住宅と違い、屋外の汚水管・雑排水管・各桝の管理もご家庭の責任範囲。台所や浴室の使い方が丁寧でも、屋外桝の堆積やインバート劣化が進むと、家全体の流れが崩れます。
ここでは、名古屋市内の一戸建てで実施した実例を軸に、「なぜ必要か」「どこをどう掃除するか」「どのくらいの頻度が妥当か」を実務目線で解説します。
一戸建てで排水管清掃が必要な理由
■ 管理責任の一元化:
戸建ては室内の枝管から屋外の本管接続手前までが原則自己管理。屋外桝・雑排水管の状態が悪いと、室内の流れや臭気にも直結します。自治体や地域の規定によっては最終桝(本管直前の桝)までが管理範囲とされる場合もあります。
■ 堆積の連鎖:
台所の油脂、浴室の毛髪・石鹸カス、洗面の細毛・歯磨き粉、洗濯の洗剤スラッジが枝管に薄く付着→屋外桝に沈殿→雨天や大量排水時に一気に移動・再付着というサイクルが起こります。
■ インバート劣化の見落とし:
桝底のモルタルが薄くなると流路が乱れ、渦・滞留が起きて堆積が加速。軽度のうちに補修すれば費用も抑えやすいです。近年の住宅ではビニール桝(塩ビ桝)が多く採用されていますが、こちらも安心しきるのは禁物です。モルタル仕上げの桝と違い、塩ビ桝は底部や流路が一体成形されているため、摩耗や欠けは起こりにくい一方で、長年の使用で油脂やスラッジが固着しやすい、紫外線や温度変化による樹脂の劣化・ひび割れ等といった症状が見られることがあります。
■ 生活影響の大きさ:
詰まりは突然表面化。台所の逆流、浴室の排水停滞、トイレの流下不良、外部溢水など、日常が止まります。
箇所別の汚れ特性と最適アプローチ
室内
■ 台所(キッチン)
主な付着: 油脂・食品カス
アプローチ: 薬品で油脂を軟化→逆噴射ノズルで高圧洗浄→トラップ分解・パッキン点検
効果: ベタつき解消、流速回復、臭気低減
■ 浴室
主な付着: 毛髪・石鹸カス・皮脂のバイオフィルム
アプローチ: 目皿・ヘアキャッチャー清掃→手作業除去→薬品で油脂を軟化→低〜中圧で奥まで洗浄
効果: ぬめり除去、排水音の軽快化
■ 洗面
主な付着: 歯磨き粉・石鹸カス・細毛
アプローチ: 薬品で軟化→トラップ分解洗浄→低圧で奥部洗浄
効果: 水溜まりの解消、臭気原因の根本除去
■ 洗濯排水
主な付着: 糸くず・洗剤スラッジ
アプローチ: 薬品投入→高圧洗浄→トラップ清掃
効果: 見違える清潔感と連続排水の安定
■ トイレ
主な付着: 尿石・スケール(固化しやすい)
アプローチ: 専用薬品のみ投入し化学的に洗浄
効果: 尿石の進行抑制、配管内衛生の維持
屋外
■ 汚水管・雑排水管
主な課題: 油脂・砂泥・微細固形物の付着
アプローチ: 上流→下流の順で高圧洗浄し、剥離物を確実に排出
■ 各桝(点検桝・合流桝)
主な課題: 底部沈殿、側壁付着、インバート摩耗
アプローチ: 桝内清掃→流路形状確認→劣化の記録・補修提案
効果: 流れの直進性回復、再堆積の抑制
ご家庭でできる軽予防とNG行為
■ 軽予防
台所: 油は拭き取り→可燃ごみへ。少量でも排水に流さない。
浴室: ヘアキャッチャーを定期清掃。週1回はトラップ分解清掃まで
洗面: 使い終わりに10〜20秒の通水で滞留物を流す
洗濯: 月1回の糸くずフィルター清掃と排水トラップ確認
■ NG行為
薬品の混用: 酸性・アルカリ性の混合は危険。金属腐食や有毒ガス発生のリスク
過度な市販薬品依存: 何度も効かない場合は固化・悪化の恐れ→早めにプロへ
屋外桝の放置: 見た目が軽度でも、薄い堆積は短期で層化し再発を招く
まとめ
戸建ての排水は、家全体の「見えないインフラ」です。室内の枝管と屋外の桝・本管手前までを一体で考え、定期清掃と小さな補修をセットで回すことが、長期的な快適とコスト抑制につながります。
名古屋市で一戸建ての排水管清掃・点検をお考えなら、台所・洗面・浴室・洗濯・トイレから屋外の汚水管・雑排水管・桝まで、まとめて対応可能な五ツ屋へお気軽にご相談ください。状況に合わせて、薬品洗浄・高圧洗浄・補修提案まで丁寧にご案内します。