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施工実例

Example

2025.09.12
豊田市のマンション排水管清掃レポート(全50戸+外部共用配管)

住まいの清潔さは、見えない配管の健全性に支えられています。今回は、豊田市内の賃貸マンションにて「各住戸(全50戸)の室内排水管」と「外部共用配管(通路桝・屋外配管・マンホール内等)」を2日に分けて清掃しました。高圧洗浄を中心に、事前周知から安全管理、施工状況の記録、仕上がり確認、今後の予防提案までを実施しました。ここでは当日の流れや、得られた効果を詳細にお話しいたします。

作業概要
・対象範囲: 住戸内排水(キッチン・浴室・洗面・洗濯)、屋内共用配管、外部通路桝など
・戸数・規模: 全50戸+外部共用部一式
・工法: 管内高圧洗浄(可変圧ノズル/先端ジェット)、管内カメラ、目視(必要箇所)、各トラップ、排水口は手洗い
・目的: 悪臭・詰まりの予防、油脂・石鹸カス・毛髪の除去、流下性能の回復、衛生環境の平準化、トラブル未然防止
・記録: 各行程の施工写真(清掃前/施工中/清掃後)、不良箇所のメモ、是正提案リスト
・想定工期: 1〜2日(住戸稼働率・共用部の堆積状況により変動)
・居住者影響: 作業音(昼間帯)、玄関・水回りの一時養生

作業の流れと手順
1. 事前準備と周知
・掲示・投函: 作業予定日の約1か月前にビラ配布等でお知らせ、在宅のお願いを周知いたしました。
・動線計画: 高圧洗浄車の駐車位置、ホース経路、養生等、屋内外の安全導線を事前に設計しております。
・養生: 室内は作業箇所に加えて通路廊下など。
豊田市マンション排水管清掃

2. 住戸内排水口の高圧洗浄
・キッチン
・主な堆積: 油脂・でんぷん質・固形物
・施工: 逆噴射ノズルで枝管から立管方向へ前進洗浄を実施し、トラップは分解手洗い清掃とパッキン点検を行いました。
マンションキッチン排水管

・浴室・洗面
・主な堆積: 皮脂・石鹸カス・毛髪
・施工: 目皿・ヘアキャッチャーを外して手作業で粗除去後、高圧洗浄にて配管奥部を洗浄いたしました。

浴室排水高圧洗浄
洗面高圧洗浄

・洗濯排水
・主な堆積: 糸くず・洗剤スラッジ
・施工: 排水トラップを取り外して清掃し、高圧洗浄で管内清掃を行いました。
・確認: 各箇所で通水確認、漏れ点検、臭気確認等を実施しております。
洗濯配管高圧洗浄

3. 外部共用配管・桝内の洗浄
・通路桝・マンホール
・施工: 管内高圧洗浄後、高圧で壁面スケール等を剥離し堆積物を出し、必要があれば最終回収を行います。
・要観察: インバート部の欠け、根侵入痕、油脂層の付着を確認します。木根侵入と油脂の付着が確認できた場合、即時除去を行います。

外部高圧洗浄

・横引き・立て管
・施工: 管径や管の腐食状況等に応じて圧力を調整し、上流から下流へ段階的に洗浄いたしました。逆流防止についても都度確認しております。
・仕上げ: 桝内の流路を整え、清水で流速と渦流の偏りを目視確認いたしました。
マンション排水管洗浄

下記の写真は桝内インバート部分の破損状況です。インバート(桝の底部にある排水路部分)が破損し、さらに隙間が生じている状態を放置すると、排水機能や周辺環境に深刻な影響を及ぼす可能性があります。具体的には、次のような事態が想定されます。

漏水による地盤沈下・構造劣化
・インバートの破損や隙間から排水が漏れ出し、周囲の土砂を流出させます。
・長期的には桝や配管の支持地盤が空洞化し、地盤沈下や桝の傾きが発生。
・これにより配管勾配が狂い、さらに詰まりや逆流を招く悪循環になります。
排水不良・詰まりの頻発
・隙間や破損部に汚れや異物が引っかかり、流れが滞留しやすくなります。
・堆積物が増えると、悪臭や害虫(ゴキブリ・チョウバエなど)の発生源となります。
・勾配不良が進むと、少量のゴミでも詰まりやすくなります。
汚水の地下漏洩による衛生リスク
・下水が土中に漏れることで、地下水や周辺土壌の汚染が進行します。
・特に飲用井戸や地下水利用がある地域では、衛生面で重大なリスクとなります。
・修繕コストの増大
・初期段階であればインバート補修やモルタル充填で対応可能ですが、
放置すると桝全体や周辺配管の交換が必要になり、工事規模・費用が大幅に増加します。
・地盤沈下や建物基礎への影響が出た場合は、さらに高額な土木工事が必要になることもあります。

汚水桝インバート破損

桝内部と周辺清掃について
排水管清掃では、配管内部だけでなく、桝(ます)内部の清掃も重要な工程として行っております。
桝は排水の合流や方向転換、異物の沈殿などが起こりやすい箇所であり、長期間放置すると油脂や泥、砂利などが堆積し、流れを妨げる原因となります。
作業では、まず桝内部に溜まった堆積物を専用工具や高圧洗浄で丁寧に除去し、底面やインバート部(排水路部分)までしっかり洗い流します。これにより、排水の流れがスムーズになり、悪臭や詰まりの予防につながります。
さらに、作業を行った周辺環境も最後にきれいに洗い流すことを徹底しております。
高圧水や清水を用いて、作業中に飛散した汚れや泥水を舗装面・床面から除去し、元の状態以上に清潔な環境に整えます。これにより、居住者さまや通行される方が不快な思いをされることなく、安心してご利用いただける状態で作業を完了いたします。

桝内清掃

埋設された不明桝の発見とその危険性について
今回の調査では、前回詰まりが発生した箇所に対し管内カメラを挿入したところ、埋設された汚水桝を発見いたしました。本来、桝は点検・清掃・詰まり除去のために必ず地表マンホール等から開閉できる状態で設置されるべきものですが、この桝は建物エントランスの犬走(犬走り)下に完全に埋められており、外部からの確認や作業が不可能な状態でした。
さらに、この桝は配管の屈折部に位置しており、ここで排水の流れの向きが変わっています。そのため、清掃や詰まり除去の際には上流側・下流側の両方向からの高圧洗浄が必須となります。こうした構造は作業効率を大きく下げるだけでなく、詰まり発生時の対応時間やコストを増大させる要因となります。

埋設不明桝 

埋設桝が引き起こす主な問題
・点検・清掃が困難
・地表から桝を開閉できないため、定期点検や軽微な清掃ができず、詰まりや汚れがかなり蓄積しやすくなります。
・詰まりの再発リスク増大
・屈折部は流速が落ち、異物が滞留しやすい構造です。清掃頻度が下がることで再発の可能性が高まります。
・緊急対応の遅延
・詰まり発生時に原因の桝周辺へ直接アクセスできないため、作業に時間がかかり、被害が拡大する恐れがあります。
・修繕コストの増加
・将来的に桝の位置を掘削して露出させる工事が必要になる場合があり、費用負担が大きくなります。

注意喚起
・桝は絶対に埋設してはいけません。設計段階・施工段階で必ず点検口を確保し、将来のメンテナンス性を担保することが重要です。
・特に配管の屈折部や合流部にある桝は、詰まりやすく清掃頻度も高くなるため、アクセス性の確保は必須です。
・管理組合やオーナーさまは、竣工図や過去の施工記録を確認し、埋設桝の有無を把握しておくことをおすすめします。

4. 最後に仕上がり検査と記録
・写真記録: 清掃前→施工中→清掃後の順で代表箇所を撮影・整理。管理会社及びオーナー様へ提出。
・チェックリスト: 今後詰まりそうな箇所、逆勾配の疑い、継手部の段差や破損、スラブ貫通部の劣化、パッキン硬化、臭気トラップ不備等があれば記載します。
・報告: 管理組合・オーナーさま向けに、実施範囲・発見事項・是正提案・推奨周期をまとめてご提出いたします。

【まとめとして】

排水管の不調は、突発的な「詰まり」や「逆流」として現れがちですが、実際には日々の汚れや堆積が少しずつ進行していることがほとんどです。今回の一斉清掃により、全50戸の水回りが本来の流れを取り戻し、共用配管の負荷も均されました。見えない部分が健やかであることこそ、住まいの快適さを長く支える土台でございます。
また、当マンションでは年1回の定期清掃を強く推奨しております。
中には2年に1回の清掃サイクルを採用されている建物もございますが、この場合は配管内の汚れや油脂の付着が多くなり、詰まりや悪臭のリスクが高まります。汚れが厚く固着してしまうと、通常の清掃では落としきれず、作業時間や費用も余計にかかってしまいます。そのため、1年に1回の定期清掃こそが、衛生面・安全面・コスト面すべてにおいて最も効果的であると考えております。
定期的な清掃と、日常のちょっとしたケアの継続で、安心快適な住環境を守ることが可能です。

排水管清掃期間

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